探偵日記 05月06日水曜日 曇り夜は雨
今日も事務所は開店休業状態で探偵に非ず。の一日となった。朝ご飯の後、近くのゴルフショップで、明日のためにボールを買う。新宿には行かずすぐに帰宅。自分の部屋で読書三昧。
今夜も酒は抜き味気ない夕飯となった。はからずも主治医の(休肝日は2日連続で)のいいつけを実行する結果となった。
ニュースで今日の東京の感染者数は30数人と言っていた。やはり専門家の言う通り不要不急の外出を避けて正解だったのか。面白くない毎日だがこれで終息が早まればいい。
新宿・犬鳴探偵事務所 5-6
六本木のクラブ通いの調査の後日談。
年が変わった或る日、某テレビ局の番組制作会社から協力要請があった。犬鳴は(探偵は露出するべからず)という主義なので普通は断るのだが、責任者が井口夫人の遠い親戚筋の人ということで快く承知した。テーマは夫婦問題でお定まりの夫の不倫。およそ1ヵ月、事務所の調査員数名があたってオンエアにこぎつけたが、担当者曰く「調査員の方たちはともかく犬鳴さんはモザイクなしで出演して頂きたい」との由。困ったな。と思ったが、井口夫人の手前もあり、もうその頃はほとんど現場にも出ていなかったので(まあいいか)と簡単に考えてOKした。まず最初、依頼人の主婦が事務所に来て犬鳴と面談。調査依頼の書類を書く場面から始まり、最後に、調査結果を報告し、報告書を渡すところまで素顔で出た。テレビの効果は凄いもので、放映されたその日の夜から事務所の電話は鳴りっぱなし、実際に、調査の依頼もあり多少潤った。
ところがその数日後、六本木のクラブのホステス(タカコ)と、マルヒの相手女性の会話。タカコ(ねえねえ聞いてよびっくりしちゃった。この間話した変なじじいの客さ~あの人探偵だったのよ)愛人(馬鹿ね~そんなことあるわけないじゃあない。座っただけで15万円もする高級店に探偵なんて来れないって)タカコ(そうかな~ほら、毎週月曜日の夕方やってるシリーズのあれに出てたんよ。絶対間違いないって)なんて話していた。仕事が終わってピタっと行かなくなって、電話連絡もしていないし、当然ながら変なじじいにタカコがかけてくるはずもない。それはそれで何事もなく終わったのだが、改めて探偵が顔を出すデメリットを痛感した。・・・・・