探偵日記


2020年10月28日水曜日 晴




このところスランプである。こういう時は家でじっとしていたほうが身のためなのだが、片付かない案件があってそうもいかない。かといって、出てきても何もできないので、こうして喫茶店で、スマホでブログを書いている。人間、バイオリズムが落ちている時は何事もうまくいかないもので、昨日はちょっと顔を出した雀荘で大敗した。すっかりしょげて阿佐ヶ谷に戻って、いつも行く居酒屋「大福」で、それでも顔馴染みと馬鹿話をしたらいくらか機嫌が治った。隣の馴染みとアメリカの大統領選挙で賭けをした。僕はトランプに、ン千円。あとの二人はバイデンに。11月4日多分美酒に酔う。




探偵になっていつも思うことがある。世の人々は危機管理の意識が低い。セキスイの例をとってみても、あれほどの企業がチンピラ詐欺師にやすやすと60億近い金額を騙し取られている。当該事件で僕の顔見知りのあんちゃんが10人目で逮捕された。新聞やテレビの報道によると、彼は(連絡係)だったとか。それでも数億円を手にした。セキスイの人たちが欲に目がくらんだわけでもなく、15人の詐欺集団が特別優秀だったとも思えない。たんに、やるべき「確認」を怠っただけで、所有者と称する婆さんを1日尾行すれば難は逃れた。世間の奥様方もそうである。むやみに夫のを疑うのではなく、セオリーに沿って、それとなく「観察」するだけで、夫の変化に気づくはずだ。但し、気づいても、移ろいゆく夫の心は止められないかもしれない。しかし、セキスイのような大きな損失にはならない。なぜならば、そんな愚かな男はあっさり捨ててやればいいだけのことである。その覚悟をきちんと持っている女性の夫は多分浮気は出来ない。