2022・04・16 土曜日 ☀
昨夜は誘眠剤半分2,5ミリ飲んだら7時間ぐっすり眠れた。ちょっと寝坊になりいつもより30分遅い朝食を美味しく頂いた。その後事務所へ。女房に、グレープフルーツ、味噌、ジャコの買い物を頼まれる。
奇妙な依頼人 その2
独立開業、神田駅前に小さな事務所を借りてスタートしてまだ間もないころ、職業別の小さな広告を見て「夫の浮気調査を依頼したい」という電話がかかった。杉並区成田西の自宅を訪問。依頼人の言う内容はこうだった。（うちは隣にアパートを持ってて色んな人に貸しているのだが、1階の端に若い女性が入居している。この子が夫の相手です）と言う。（なぜそう思うのですか）と聞くと、（私は夜が早く、いったん寝ると朝まで起きない。夫は、私が寝た後女の部屋に行くか呼び入れている）いわゆる、依頼人の思い込みである。しかし、独立して間もない我が貧乏事務所としては願ってもない仕事である。僕は、依頼人と、張込開始の時間などを打合せし、とりあえず1週間やることにして、その日の夜から開始した。想像したとおりだが、来る日も来る日も変化は無かった。確かに、101号室の女性はなかなかの美人。一方の夫は武骨な感じで真面目一筋の印象。とても浮気の出来る人には見えなかった。 1週間経ち、夫が勤めに出た後報告のため訪問。1時間おきに撮影した母屋とアパートの写真を添付して、全ページ（変化なし）の羅列。何か文句を言われるのかな～と、恐る恐る待っていると、依頼人はにっこり笑って（探偵さんに分からないように2回はしてるよ）と言う。怪訝そうな顔をした僕に、少し汚れたチッシュを見せ、（ほら、拭いた跡があるでしょう）と言った。しかし、出入りの写真を示せ。と言うこともなくきっちり精算してくれた。熊野神社の裏手に住む高齢の女性だったが、今でも近くを通るたびに思い出す。ーーー