探偵日記


2023・11・16 木曜日 ☀




日中はよく晴れるが21時くらいから明日にかけて雨が降るらしい。まあ、最近は帰宅は早いから雨に当たることはないだろう。10時前事務所に着く。しかし、世の中には変な依頼人もいる。先日、5年前にやった調査の依頼人が再び頼んできた。1日だけの張込と内偵調査だったが12時間要した。調査結果は完ぺきだったが、依頼人が望むものではなかった。前の報告でマルヒの名前のフリガナが(ヒロシ)だったので今回もヒロシとしたが、依頼人はユタカだという。たったそれだけの理由で「費用は払えない」とのたまう。僕は、(バッカじゃあないの)と思ったがじゃあ結構です。とは言えない。面倒だが少額訴訟となろう。依頼人の言う通りユタカと修正した報告書も受け取っている。なのに、である。世間では払いすぎた調査料を返せ。という裁判が多いそううだが、幸い、そんな訴えは受けたことが無い。しかし、(払え)ということは2度目である。勿論、裁判所から呼び出しがあった段階ですぐ振り込まれたが。




バブル紳士からの調査依頼 8




数日張り込んだ結果、マルヒの元に通ってくる男性はすぐに判明した。マルヒがパートに出た先のちっちゃな会社の社長さんだった。犬鳴は、(社長の他に運転手とマルヒだけの会社で、愛人をこんな高級マンションに住まわせる資金が出るんだろうか)と訝しく思ったが、まあ、東京は色んな人がいるからな~と思いそれ以上の詮索はやめた。しかし、バブルが崩壊して、今まで羽振りの良かった人たちもシュンとしている時期に。とも考えたが、この案件を受件した数年後、別の調査を請け負ったことで犬鳴の疑問は解けた。・・・・