探偵日記


2026・06・19 金曜日 ☀




9時半事務所着。パンと牛乳の朝ご飯は何とも味気ないが糖尿の身にはいいのかもしれない。だから、ランチが待ち遠しい。事務所の近くに定食屋さんがあり大概そこで食べるのだが、サラリーマンやOLで混む。僕はいつも定番の和定食だが、1000円が1100円に値上がりした。こういう風にはっきり分かるものもあるが、スーパーなどでは何がどのくらい値上がりしているのかやもめの老人には分からない。    




探偵調査の記憶 1-1




ある日の午後、ぶっきらぼうな物言いで「調査を頼みたいんだけど」と言って若い女性から電話がかかった。普通、事務の女性の誰かが出るのだが、ちょうど遅めのランチに出ていて居なかった。当時我が貧乏探偵事務所には3人の女性が居たが、僕の妻、姉、姪といずれも身内ばかりで、それぞれ勝手気ままに働いていた。夢みたいな話だが湯水のように金が入って、今考えると赤顔の至りだが、初めてベンツに乗り、毎晩のように歌舞伎町で散財したものだ。社員旅行もそれまで、箱根や熱海の1泊の温泉旅行だったのを海外に変え、香港、ハワイ、シンガポールなど3~4泊20数名で出かけた。そんな日々バブリーな頃のことである。調査員達も彼らの部屋で勝手なことを言い合いながら大騒ぎしていたが、僕が(今ご依頼人がいらしゃるから)ちょっと静かにしとけよ。と言い、ついでに(若い女性だよ)と言ったものだから、全員道路側の窓に張り付いて新宿通りのほうを見て、あ、あれかな?などと興味津々の態である。                                            やがて、四谷方面から右折して小ベンツがビルの前に停車した。僕も自分の部屋から眺めていたが(ああ、この人だな)と直感した。真っ白のワンピース姿。年齢は30歳ぐらいだろうか、ため息が出るぐらい美しい人だった。 続く