探偵日記 10月26日木曜日 晴れ
1日おきに晴れと雨の日が目まぐるしく変わって、本日は晴天なり。昨夜、携帯をいじってたら変になって、以後、全く使い物にならなくなった。メモしておいたIDやPWを試すもダメ。諦めて朝10時にドコモに駆け込んだ。その結果、何となく使えるようになったがなお不安が残った。午後4時、都内の某ホテルでご依頼人と面談の予定。
結婚 2-1
「もし娘に直接お聞きになった方が宜しければ是非そうしてください」と言う父親に(出来ればそのようにお願い致します)ということで、数日後、勤務先からの帰りに新宿の喫茶店で落ち合う約束になった。結婚を熱望する30歳の未婚の女性。想像をたくましくさせながら約束の喫茶店に行った。色白でややぽっちゃり、スタイルも良さそうである。何より理知的な印象に好感を持った。初対面の挨拶を終え本題に入る。彼女は「とにかく早く結婚したいんです」のっけから心情を吐露する。同窓の者や職場の同僚たちも次々と結婚をして、いわゆる寿退社してゆく。取り残されたような気持で焦るのもうなずける。女性にとって、出産のタイムリミットも考えるだろう。僕の三番目の奥さんは18歳で僕と結婚した。テレビドラマで(花嫁は18歳)とかいう番組があった時期だった。そんな本件とは関係ないことを考えながら、(この間ご両親とお会いした時にもお聞きしたのですが、何度かお会いになって、特に気にかかるようなことがあるのですか)と切り出すと、本当に真面目な人なのだろう、恥らいながら「有りません」と応える。そんなことは無いはずだ。しかし僕は、にっこり笑って次の言葉を待った。すると、何か言わなければいけないのかしら。と思ったのだろう。「こんなことを言うと笑われるかもしれませんが」と言って、僕のポリシーでは考えられないようなエピソードを語り始めた。-----