探偵日記 05月04日月曜日 曇り
昨日は疲れて久しぶりにブログの更新をさぼった。毎日毎日やることもなく夕飯を6時くらいにすませて、あとはたっぷり時間があるが、気力が付いてゆかない。人間目的がないとこんなにもだらしなくなるのかと痛感する。考えてみると社会人になってからこんなにグダグダしたことはない。思えば、同期の友人が60歳で定年になり、その後、うつ状態になった。と聞いたことがある。(なるほど)と思うこの頃である。
新宿・犬鳴探偵事務所 5-4
毎日、官費じゃあなくて依頼人から頂く潤沢な調査費用のおかげでいっときお大尽の気分を味わった。或る日、事務所に行くと調査部長の池辺がニヤニヤして犬鳴を見る。どうしたのかな?と思っていると「所長これを聞いてみてください」と言う。犬鳴が池辺の聞いていたカセットテープを一緒に聞くことにした。他の調査員も面白そうに集まって来る。マルヒの愛人とタカコの会話を録音したものである。愛人(ねえ最近お店はどうなの)タカコ(まあまあ忙しいよ)愛人(何か変わったことないの)まあ、愛人もマルヒの訪れるのを待つだけの日々が退屈なのだろう。しきりに古巣の店の様子を聞きたがる。タカコ(最近、変なじじいがいてさ~。毎日のように店に来て私を指名して、ご飯を食べさせてくれるし、この間なんか伊勢丹で服とか靴なんか買ってくれちゃったりして、だけど、エッチなことは一切言わないし誘わないんだよ)愛人(へ~でも楽でいいじゃん)タカコ(そうかな~だってそこまでしてくれたらたいがいの客は体を要求するでしょう。それが全くないんだよね~)などと言って大笑いしている。犬鳴はちょっと頭にきた。当時の犬鳴はまだ44歳だ。じじいよわばりされる年令じゃないと思っている。しかし、反面胸をなでおろした。仮に、口説いたりしてたら事務所の者たちに知られることになる。これでみんなは、(さすが所長だ。仕事とプライベートの区別はちゃんとしてる)と思ったはずだから。・・・・