探偵日記 

探偵日記 05月09日木曜日 曇り

まず、昨日のゴルフの話。相変わらず調子が悪く、午前のスコアは最悪。僕の悪い癖で、(今日は練習日)と思い、ランチの時、生と赤ワインを飲む。食事は栃木牛のステーキ。
午後、10番、11番連続パー。やや調子が出てきてカートについている全員のスコアボードを見ると結構上位に来ている。最終ホール、同組の若い人に1打勝っていた。結果、そのまま逃げ切り思いがけず優勝。何のことはない、みんなが勝手にこけてくれたから舞い込んだもので、決して実力ではない。

詐欺師k 14

当時僕の事務所は神田駅前にあった。kはとりあえず無職となって、それでも何だかんだと金策して、相変わらず競馬、パチンコ、夜は酒場に入り浸っていた。そしてほとんど仕事のなかった僕も日々刹那的に過ごし、毎日のようにkと会っていた。やがて年末になり、僕の発案で共同生活をしようということになった。その頃には、仲間も増え全員揃うと10人を超えた。じゃあどこにするか。ということになり、JR高田馬場駅に近いマンションに決め、僕の名義で入居した。当時そのマンションは高級と評され、例えば歌舞伎町で飲んで帰るとき、タクシーの運転手にマンション名を言えば黙って送り届けてくれた。丸1年、僕らはそこで共同生活を送ったのだが、楽しい思い出である。kの大学の同級生で、kに自宅を売り飛ばされたTさんという人が居て、彼が主婦を引き受け、朝晩の食事を提供してくれた。大勢で食べる食事は美味しく、話の上手いkが団欒を盛り上げてくれる。晩御飯が終わると麻雀となり、或る時は歌舞伎町のキャバレーに繰り出した。当時の僕は家庭もあって子供も二人居たが、妻に愛されてなかったのだろう何日家を空けようが苦情を言われることはなかった。kやその一味は、大きく法に触れない程度の悪さをして凌ぎ、勿論僕は探偵稼業に精を出した。或る日のこと、kが「ふくちゃんしばらく車を出してくれないか」というので、承知した僕は運転手となってkに指示に従い都内及び近県のデパートや電気店を行脚。何をしたかというと、当時ソニーが売り出し、大変な人気となったカセットラジオを買いまくったのだ。kたちは何処で手に入れたのか知らないがクレジットカードを数枚持っていて、未決済で使えなくなる期限一杯それを使っって、購入した商品は江東区にある(バッタや)といわれるところに売りさばいていた。僕の記憶では1つ4万円のものが28,000円で引き取ってもらっていたようだった。要するに「取り込み詐欺」を行い、僕はその手先をつとめたのだ。数年前、ある会社から依頼され、日本橋の怪しげな会社を調べた。商社を装うその会社は、手当たり次第に物品を仕入れ、届けられた品物を半値程度で売りさばき、手形の期日が来る前に行方をくらませたが、50年近く前、kたちが持ち込んだそのバッタやだった。その後、kたちはその金でそれぞれの生活を築き、僕たちの、怪しげな合宿は終わった。・・・・・・・