探偵日記

探偵日記 01月23日木曜日 雨

朝起きて部屋の窓を開けると傘をさして歩く人が見えた。(な~んだ雨か)と思ったとたん勤労意欲が後退。とにかく僕は雨や風が嫌いだ。子供の頃は、養母もちゃらんぽらんで、雨が降ると「今日は学校に行かんでもいい。どうせ嫌々行っても頭にゃあはいりゃあせん」と言われずる休みが出来た。その悪癖が数十年たった今も残っている。それでも、雑用があり10時過ぎに家を出た。
夜は、歌舞伎町の居酒屋「神楽」で食事。連れをタクシーで送って帰宅。しかし今日はいいことが二つあった。難航していた案件の端緒が判明した。

新宿・犬鳴探偵事務所 23

色白で、アイドル系の可愛い女性が犬鳴の部屋に通されて入ってきた。身に着けている服のセンスもいい。ベンツを乗り回していることからもセレブの女性であろう。大会社の社長令嬢か、それとも収入のいい夫を持つ主婦か。その答えはすぐに出た。依頼人はソファに座るや犬鳴が差し出す名刺を、ほとんどひったくるように手にし、「夫の尾行をしてもらいたいんだけど何時から出来ますか」と、性急に用件を切り出した。犬鳴は、とりあえず(かしこまりました)と応じ、ご主人はどんなご様子ですか?と聞くと、女性は、顔に似合わないはすっぱな物言いで「あのバカ亭主看護婦を孕まして、うちにも二人子供がいるていうのに。それがね~所長さん、凄い女なのよ。牛が頭をソバージュにしたような顔をしてるくせに、家に押しかけてきて私に出て行けっていうんだよ」と、しゃべっているうちにだんだん興奮してきてべらんめえ調になってきた。
これで、依頼人の夫が医者であることが分かった。そして不倫相手の女性が看護婦であることも。さらに、家に押しかけてきた。と言っているから、相手に関してはある程度知っているのだろうことも。犬鳴は問うた。(色々なことをご存知のようですが、こちらで何をすればいいのでしょうか。その女性との関係をご主人も認めていらっしゃるんでしよう)と。すると依頼人は、「だからさ~バカ亭主も怖がってあの女から逃げ回っているっていうけどそれが本当かどうか、亭主はもう絶対に会わないって言うんだけど職場が一緒だしなにするかわからないからさ~」とまくしたてる。要するに、もう別れたと言いながらこっそり会っているんじゃあないか。と疑っているのだ。・・・・・