探偵日記

探偵日記 04月29日水曜日(祭日)晴

日々、帰宅が早くなり同時に夕飯も普段では考えられないような時間に摂ることが多い。今日は17時、駅前の中華でビールと焼酎を飲み、つまみは餃子。メインは冷やし中華ですませた。
コロナの感染者が40数人巷では(減った減った)と喜んでいる。まあ、諸外国に比べ我が国の数値は低く推移も緩やかだが、医療関係者の弁に寄れば「数字を偽っている」とか、「検査をしていないので本当の数は分からない」という意見が多い。(まあそうだろうな)と僕も思う。
昨日に続き兄のこと。彼は、我が福田家の長男で本来ならばかなりの資産を受け継ぐべき人間だが、敗戦のため真逆の結果となった。それでも、さすが寅年といべきか男子としての勢いがあり、夜逃げ同然に渡ったアメリカでそれなりに成功した。しかしその後がいけない。手に手を取って駆け落ちした妻をないがしろにし、やがて離縁されてしまう。彼女は北陸の素封家の一人娘で有り余る財産を兄のために惜しげもなく散財した。甥(兄の長男)は、僕に訃報を知らせてきたとき「K子さんにも一応知らせておきました」と言っていたが、聞いた彼女はどう思ったか。・・

新宿・犬鳴探偵事務所 4-29

その頃の僕はいつも言う通り、形だけ事務所に顔を出した後は近くにあったフリーマージャン荘に入り浸っていた。その日も、六本木に行く前に雀荘に行き、当時一緒に飲み歩いていた広告代理店の社長を誘った。というのも、クラブに行くのにまさか探偵事務所の名刺は使えないから、その友人の会社の(営業部長)の肩書で名刺を作っていた。友人も有名な高級クラブに行けるというので大喜びして同行した。(いらっしゃいませ)慇懃に迎えられて席に着く。まあ、場数は踏んでいるので特にビビったりせず鷹揚に構えていたが、「お飲み物はいかがいたしましょうか」と聞かれ(ヘネシー)と応じる。というのも、当時歌舞伎町のクラブではヘネシーといえば十二分に通用していた。まさに、遊び人の代名詞のような酒だってのである。ところが、そのボーイさん「大変申し訳ありませんがヘネシーは置いてございません」というではないか。ハタと困った僕たちは、そう言われて、まさかサントリーとかニッカとは言えない。すると、ボーイも気を利かせて、「・・・では如何でしょうか」と言う。渡りに船である(おう、それでいいよ)と言うと、何だか高そうなやつが出てきた。・・・・