10月1日月曜日
月の初め1日が月曜日っていうのはいいね。何となく(さあこれから始まる)って感じになって。というわけではないが、09時少し過ぎに事務所に着いた。
それと、僕は今日からワンちゃんの散歩を始めることになり、初日の今日、05時に起きて1時間歩いた。06時朝ご飯を食べ仮眠をとったあと仕度をして家を出る。明日から毎日このパターンで生活するはずである。僕は、基本的にはチャランポランだが、決められたことは律儀に守る性格でも有る。例えば、医者から貰う薬は、毎日欠かさずきちんと飲むし、総じて、約束事は守る。奥さんが足が痛いと言い出し、自分自身もちょっと足が弱ってきたかな。と思っていたので、毎朝の散歩を代わったが、タイちゃん(我が家の愛犬、本名ネクタイーージャックラッセル)にとってもラッキーだと思う。奥さんは30分ぐらいしかやらないが、僕は1時間たっぷりやるので、タイも満足した顔で帰宅した。(笑)
詐欺 その9
5億円の保釈金を積んで仮出所した浅岡会長も、再び東京拘置所にUターンすることになった。懲役14年に処す。という一審の判決が出てその日の内に娑婆ともおさらばになった。経験者に聞いた話だが、なまじ保釈なんかで出て、再入所するのはかなり辛いらしい。しかも、意に沿わず14年という長期刑である。勿論、弁護団は即控訴したが、否認事件の主犯である。とても控訴保釈はきかないだろうと思っていたが、案の定、高裁でも判決は覆られず、その後、長野刑務所に移監されたらしい。
こうして、僕の出番も無くなり、世間を驚かせた大型経済事件も、一方のF銀行を舞台にした事件と共に終わった。浅岡明則以外の共犯者は、全員が罪を認め早々と刑に服したので、今では市井の人となっている。仮に、浅岡会長も早い段階で(ごめんなさい)と言ったなら、とっくに出ており悠々自適に暮らせているはずである。良い悪いはともかく、彼なりの信念を貫いた結果である。未決の期間を割り引いて、そろそろ出所する時期だと思うが、まだ若い彼のことだから、隠匿してある資金を小出しにしながら再び活躍するだろう。こんな不況の時代だからなおさら存在を示せるかもしれない。
僕は、この事件を思い出すとき、必ず脳裏をよぎる人物が居る。「木本孝」舞台になった銀行の支店長代理、彼は、検事と司法取引をしたようで、初めから包み隠さず自供したが、判決は11年だった。証人として法廷に出るたび、裁判官に、あかぎれの自分の手を見せ、(早く判決を下さい。一日も早く罪を償い、社会に出て、ご迷惑をかけたノンバンクに返済したい)という主張を繰り返していた。僕の計算では、彼の懐には、金融手数料の5パーセントを含め、返済義務の無いお金が400億円入っているのは間違いない。逮捕後妻と離婚して、手持ちの全てという数十億円を提出し、裁判所の心証を良くするべく芝居していたが、11年の判決でも7年ぐらいで仮出所しているはずである。関西人で、銀行マンの彼が出所した後のことを計算していないはずは無い。出所後は、秘かにしかも優雅に暮らしていると思われる。真面目そうな顔で、ほくそ笑んでいる様子が手に取るように想像される。僕は今でも、あの事件で一番得をしたのは彼だと思っている。そして、一番の悪党とも。----- 了。