詐欺 その7
そんな或る日、三白眼から「今度熱海に付き合ってください」と言われた。どんな用事でも、何を指示されても断る理由は無い。(分かりました)と言って、僕を彼に紹介してくれたSさんに、(熱海で何があるんですか?)と聞くと、Sさんは、「会長が遊びたいんじゃあないの」との由。計画では、熱海で一番のホテルに泊まって、二日間ゴルフをするんだという。夜はどうせ麻雀だろうと思ったが、勿論楽しみでもある。女房もつれて来い...
そんな或る日、三白眼から「今度熱海に付き合ってください」と言われた。どんな用事でも、何を指示されても断る理由は無い。(分かりました)と言って、僕を彼に紹介してくれたSさんに、(熱海で何があるんですか?)と聞くと、Sさんは、「会長が遊びたいんじゃあないの」との由。計画では、熱海で一番のホテルに泊まって、二日間ゴルフをするんだという。夜はどうせ麻雀だろうと思ったが、勿論楽しみでもある。女房もつれて来い...
金森に対しおよそ1ヶ月調査を費やした。日々の行動はもとより、家族関係、特に子供の通う学校や部活の様子など綿密に調査した。加えて、自宅及び形ばかり残っている会社に特殊工作を施した。その調査により、金森家の困窮状況や家族全員の思考状態まで判明した。自宅の電気が止められようとしているときにさえ、金森の遊興はやまず、毎晩赤坂の韓国クラブに入り浸っていた。過去の実績により、飲食代を督促するような野暮なママは...
昨日は、御殿場、熱海、沼津とまわり、最後にもう一度御殿場に行ったので東京に帰ってきたのは19時くらいになった。御殿場から東京までは順調だったが、一般道(環八)に出たところで渋滞になり、自宅まで、高速道路の倍かかった。合計350キロのドライブ。景色は見れなかったが、箱根の山頂はもう秋のたたずまいであった。調査もそれなりに成果があり、充実した一日といえよう。 詐欺その5 金森泰造4...
9月20日木曜日 今日(といっても正確には明日のことだが)は、静岡県に出張する。沼津、熱海、御殿場をまわり、主に内偵(聞き込みのこと)調査を行う。最近は、個人情報保護法とやらで、何を聞いても答えてくれない。数日前、九段のとあるマンションを訪問した時のこと、ちょっと屁理屈を言いそうな管理人がいて、丁寧に挨拶をする僕に、入館証明を書けという。僕は仕方なく、訪問した日時に続き、氏名、電話番号、職業...
保釈で出所した(真の依頼人)赤岡明則と神保町のオフィスで会った。この頃は、銀座の事務所から神保町に移っており、女子事務員も居て何となく会社らしい雰囲気になっていた。三白眼に紹介され(お疲れ様でした)と言うと、ギョロリとした大きな目で僕を見据え「詳しい打ち合わせは後でしよう」と言って、事務所にいる者たちに、どすの聞いた声で、「おい、飯食いに行こう」と、子分に号令するように言う。 僕が、部外者ら...
自分の子飼いの社員が紹介した人物を前にして良く言ったものである。ブローカー氏は曖昧に笑い、僕は口元だけで柔和を装った。ただ、(こいつは馬鹿な奴だな)と思った僕は、今後の展開を想像し、(御し易い)と感じていた。少しでも常識をわきまえている者なら、部下が返答に困るような質問はしないだろうし、紹介された者のプライドも斟酌するだろう。こいつは馬鹿だ。と思った第一印象は本件を終えるまで拭い去られることなく、...
昨夜は予想通り徹夜に近い張り込みになった。ただ、成果としては、(本人確認と勤務状況)が分かっただけで、肝心のいわゆる動かぬ証拠の把握には至らなかった。仕方の無いことである。マルヒの心境もあれば、推測される不倫相手の都合もある。俗に言う(空振り)に終わってしまった。 調査員6人車両3台、チャリ1台、まさに、大捕り物といった状況である。午後9時過ぎ予定通りマルヒがママチャリ(依頼人の言うものと異...
昨日はゴルフでもないのに13,000歩以上歩いた。だから、夜は早めに休んで、今朝快調に目覚めた。14時、久しぶりに懐かしい顧問先の社長が来所。昔話に花が咲く。真面目な人で、バブルの頃、自社ビルを持ったが、ご他聞に漏れず極悪人中坊弁護士率いる債権回収機構の餌食に。しかし、ご子息の名義で買戻したそうだ。偉い。 逆に僕のほうはジリ貧。(泣)反省の代わりに後悔の毎日。ああ~ それでも、老いては子に従...
12日水曜日はゴルフ、13日木曜日は新規の依頼人との打ち合わせのため事務所に来れずブログをお休みした。 次のお話も案を練っているところで、来週から始めようと思う。したがって、今日は3日ぶりに出社。11時35分パソコンに向かっている。事務所の中は、古い地図と全国の電話帳で一杯になっている。明日はこの整理に終われることになりそう。夜には3件の尾行調査が控えている。と書くと、もの凄く忙しそうだが、...
朝のニュースで、松下金融相が自殺したことを知った。12日発売の週刊新潮に女性問題をすっぱ抜かれることを苦にしての事だという。野良犬みたいな探偵の僕には信じられないことだが、所詮役人上がりのひ弱さが出たのか。妻とは別居しており、有る意味自由に生活していたのだろう。古い諺に「糟糠の妻は堂より下さず」というのがある。貧しい時代に苦労を共にしてきた妻を、自分が出世して偉くなったからといって家から追い出して...