先生その6

調査は翌週の月曜日から開始した。近年の風潮で、一般住民の危機意識が以上に高く、その学校が住宅地にあるため、僕は調査員に「くれぐれも周囲に気を配り、変に思われないよう」と注意して送り出した。校門の近くに車両を停め中に男が2~3人居れば、怪しまれるのは必至である。午後3時、現場に着いた調査員から「職員室に居るマルヒを確認したとの第一報が入った。依頼人は、子供が入院しているので、暫く休暇をとっている。

18時17分、マルヒが正門から同僚と出てきた。最寄の駅で同僚と別れたマルヒは、予想通り自宅のある鎌倉行きの電車に乗って、鎌倉駅で下車。駅前のコンビニで缶ビールを2つ購入、店の前で一気に飲み干した後、スーパーで大根やねぎを買い小走りで帰宅したらしい。何のことは無い、およそ1年、愛人宅で生活したマルヒは、妻に対しどんな言い訳をしたのか元の鞘に収まったらしい。しかし、所詮火宅の人である。家では小さくなっているのだろう。好きな酒も路上で飲み恐らく妻の機嫌をとるつもりであろう、食材を土産に妻や三人の子供の居る我が家に帰ったのである。--ーーーー



※今日は、週刊誌の記者さんと、某県知事の秘書さんと食事をする。久しぶりに、花の銀座で豪遊(そんな訳無いか)の予定。