偽装結婚 その12

探偵日記11月4日日曜日

昨日のゴルフは散々だった。やや苦手意識がマイナス作用したのか、数日前と全く違うプレーになってしまった。ゴルファーなら理解してもらえると思うが、僅か3日で、15ストローク多く叩いた。三日前同様、微風快晴。自分の不甲斐なさを責任転嫁するすべもない。阿佐ヶ谷に帰って、お寿司屋さんで夕食を済ませたあと、(天国に一番近いスナック)「ほろよい」に行く。散歩のこともあるので、ちょっと、と思ったが、そうは問屋が卸さなかった。否、ママの手管にかかり結局0時30分、やっと開放された(笑)

本日は、午後2時、我が事務所のホームページを見たという、新しい依頼人が来るという。暇な時である。早々に事務所に出た。1階のポストを見ると新聞が入っていない。誰か来ているのかな?と思って7階に上がると息子がパソコンに向かっている。独立をして少しばかりやる気が出たようだ。



偽装結婚 その12

新大久保のマンションは月形の住むそれと似たような小ぶりの賃貸マンションであった。夕飯のおかず数点を持って入った月形は、3時間あまり過ごし、入った時と同じ服装で出てきた。形からいうと二人の婚姻はイミテーションと思われる。したがって、戸籍を借用している者、この場合、朴という韓国人男性。が、その配偶者の機嫌をとるのが一般的である。何故ならば、年月を経るにしたがい、すでに礼金を貰っているほうは、責任感や義務感も薄れ、更新のたびに得る若干の謝礼しか旨みが無い。しかも、例えば、永住権を得たならば、直後に離婚するのが通例である。

もしかしたら、二人は、スタートはともかく、次第に愛情が生まれ本物の夫婦になったのだろうか。本件とは余り関連は無いが、興味を覚えた僕は朴のことを少し調べてみた。まず、職業である。通常サラリーマンが出勤する時間帯から正午頃まで張り込んだが、調査員から(部屋にはいるようですが出てきません)という報告が入った。たまたまその日が休みということも考えられる。その後、数日同様の調査を継続したが結果は同じだった。

次は午後の張り込みに切り替えた。すると、19時を回った頃、同室からスーツ姿の男性が手ぶらで出てきた。調査員は朴の顔を知らないので、とりあえず当該人物を尾行。朴と思われる男性は、JR新大久保駅から新宿に行き、地下鉄丸の内線で、(赤坂見附)まで行き、韓国クラブが沢山あることで知られる田町通りのビルに入り、7階のRという韓国クラブに入った。店の前でボーイらしき若い男性に、韓国語で挨拶のような言葉をかけたというから出勤したものと判断した。ーーーー