昨日は車で事務所に行ったので、新宿でひっかかることなく早々に阿佐ヶ谷に戻った。ゴルフ仲間が集まる「ラ・ボール」で軽く飲んだ後、天国に一番近いスナック「ほろよい」に行く。相変わらずというか、地獄か天国かは知らないけれど(もうそろそろ)「失礼」といった常連客が揃っていた。
かく言う僕も同じようなものだが、入った途端瞬時に溶け込み5~6曲歌って11時前に帰宅。少し飲みすぎたせいか昨夜はぐっすり眠れた。アルコール依存症かもしれない。
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カーネーションその9
居酒屋で、夫婦のような雰囲気で飲んでいた真理子と男性は、12時前にやっと腰を上げた。勘定は男性がしている。でっぷりと太って頭髪はかなりあがっているが、スーツ姿がびっしと決まってなかなかの貫禄である。真理子の言うように本当に経営者でお金持ちなのか、(絶対そんなことはない)と推測している僕の勘が少々揺らいだ。
居酒屋を出た二人はさも自分の家に帰るかのように、数軒先にあるラブホテルに入った。あ~ぁ今夜は徹夜だ。
翌朝、9時にホテルを出た二人は、ホテルの前で別れ、真理子は自分のアパートへ。男性を尾行した調査員からすぐに「しょっぱいアパートに入りました」と、自宅に居る僕に連絡が入った。(そうだろう、そうだろう)僕は一安心して、「電気かガスのメーターを見て契約者を割り出してくれ」と指示した。
その後、調査員からの電話で、男性の指名が「山本和幸」であること、30分ほどで出てきた男性(ここから男性を山本と呼ぶ)はアパートから数分の月極めの駐車場に行き、ボロボロの中古車に乗って高速に上がり都心に向かっているらしい。
自民党の有力議員Mの庇護で、首都高や近県の高速道路の管理や清掃を一手に請け負う会社の代表取締役の仮の?姿だった。
僕は、とりあえず昨日から現在までの状況を依頼人に報告。依頼人は、特に驚いた様子も見せず「あーそうですか、引き続き徹底的に調査して下さい」と言う。
暫くすると山本を尾行している調査員から「世田谷の豪邸に入りました」との報告を受けた。--------